なっつんです。
同じ発達障害の方と話していると、発達障害の症状そのものと言うよりも「フルタイムで働くのがしんどい」「仕事が続かない」ことに悩んでいる方が多いように感じます。
そこからの生活費や仕事選び、職場の人間関係での問題が、発達障害さんが抱える悩みの大半なのではないかと思います。
確かに体はめちゃくちゃ悪いわけではなく、健康だけどそれでも生きなければならない。健常者の方と同じようにお金を稼がなければなりませんから、仕事が続かないというのは死活問題です。
今回は発達さんでも無理なく働ける「働き方」について考えてみようと思います。
なぜフルタイム勤務だと消耗するのか
今や発達障害の外来は予約1年以上待たされるというほどの混み具合だとか。
普通のフルタイムの仕事で躓いている人がそれほど多い、ということだと思います。
なぜ発達障害を持つ人はフルタイムの仕事が上手くいかないのか?その理由を考えてみます。
① 疲れやすい

はっきり言うと、健常者の方より圧倒的に疲れやすいのです。
原因は様々ですが、まず1つは感覚過敏。
HSPをお持ちの方は特にこの傾向が強いですが、五感が敏感なため、蛍光灯の光や人の話し声、匂いといった刺激に容易に圧倒されてしまいます。
そのため普通に生活しているだけで、日常に溢れる刺激を敏感にキャッチしてしまい、神経が疲れてしまうのです。

HSPについてはこちらの記事にまとめてます。
そして2つ目は体の動かし方が下手という点。
こちらの記事に発達性協調運動障害についてまとめていますが、発達障害(特にASD)をお持ちの方は頭で考えながら体を同時に動かすことが苦手です。
そのため運動音痴だったり電話応対が下手なのですが、これは日常の全ての動作に言えることです。
力の抜き方が下手だったり、変に力んでしまったり。過集中で体の筋肉が緊張したままずっと同じ姿勢を取ってしまったりします。
そのため私も慢性の肩こりに悩まされ、何を試しても治りません。整体師さんには「力の抜き方が下手」と言われましたが、まさにその通りで、過集中を発揮すると変に体が力んでしまうようですね。
そのため健常者の方と同じ仕事をしていても、体力の消耗が激しいのです。
3つ目は、ワーキングメモリの多用です。
普通の会社員の仕事は、基本的にマルチタスクです。電話を取りながら書類を作って・・・と複数のタスクを同時進行で進めていく必要があります。
このマルチタスクには、少し前に言われたことを覚えておきながら反射的に行動するようなワーキングメモリ(短期記憶)が必要なのですが、発達障害の方はこのワーキングメモリが弱いのです。
以下の記事では、発達障害の私が事務職に就いた時に、いかに悲惨な結果に終わったか書いています。発達障害の傾向のある方なら心当たりのある記事だと思うので、ぜひ読んでみて下さい。
日本のごく普通の会社は、月から金まで毎日8時間+残業や休日出勤(今は大分減りましたが)という勤務時間が普通です。これは一般的な健常者の方向けに考えられた労働時間だと思います。
しかし疲れやすい発達さんにとっては、この一般的なフルタイムの労働時間は長すぎるのです。
1日の終わりにはぐったりと疲れ果ててしまうし、「どうしてみんな毎日これに耐えられるの?」と思う方も多いかもしれません。
筋トレなどで鍛えれば体力をつけることは可能ですが、普通に生活しているだけで消耗しやすいという事実は変わりません。
発達さんは体力的にもフルタイムの仕事が圧倒的不利と言えます。
② 精神的な消耗
体力面だけでなく、精神的にも疲れやすいと言えます。
ASD(アスペ)の場合は特に対人関係が苦手なため、会社で人と雑談しているだけで疲れてしまうのではないでしょうか。
ADHDの場合はどうしてもミスや遅刻が多くなり、叱られてしまうことでストレスを感じてしまいます。
そのため毎日普通に働いていても、メンタル面でもじわじわと削り取られているのです。
またクローズ就労で働く場合や、グレーゾーンの方が働く場合は特に、発達障害のことを隠して就労しますから、周囲の理解を得るのが難しい環境です。
時には「何、あの人?」という冷たいオーラを感じながら、発達障害の症状を隠しつつ働かなければなりません。
精神的にも、健常者より消耗が激しいと言えます。
③ 休む=迷惑をかけること という雰囲気


上記の①②の理由から、発達障害の方は体力的・精神的に疲れやすかったり、通院の関係上どうしても休みを取ることが多くなるかもしれません。
これは多くの日本の企業に言えることですが、気軽に休みを取りづらい空気というのが日本にはあります。休む=迷惑をかけることという考え方が根づいているからです。その証拠に、休む時には「申し訳ございませんが〜」と謝りますよね。
外国では風邪を引いて休む時も”sick leave”の一言だけ送ればよかったり、1ヶ月ぐらいのバカンスを取るのが普通という文化なのですが、日本はまだまだその点で遅れを取っています。
休むためには他の人への引き継ぎをきっちりと行わなければならなかったり、あまりに休みが多いと冷たい目で見られてしまうのは、残念ながら事実です。令和になってもその点はまだまだ昭和が抜けません。
疲れやすいのに疲労が限界に達しても休みづらいと言うのは、HPが残り10%の状態で回復もできずにずっと戦い続けるようなもの。そりゃあボロボロになってしまいますね・・・
一般的には責任ある立場ほど休んではいけないと思われていますから、発達障害の方が出世を目指したり給与を上げるのが難しい理由でもあります。
④ 劣等感を持つようになってしまう


上記の理由から仕事ぶりをなかなか認めてもらえなかったり、心か体の疲労が限界に達して辞めてしまったり、うつ病になって休職したり、転職してしまったり、というのが発達障害の方に多いパターンです。
休みがちになったり、休職や転職を繰り返して収入が安定しないことで、自分に自信を失ってしまいます。男性の場合は特に結婚に前向きになれなかったり、社会的に責められてしまうかもしれません。
特にASDの方は学校の勉強は得意なタイプが多いですから、そこそこの学校を出ていたり語学ができたり、何かの資格を持っている方も多いと思います。
しかし学生時代の同期が社会的に活躍する中で自分だけ仕事が続かなかったりすると、人と自分を比べてしまって、さらに劣等感を感じてしまうでしょう。
SNS上にもそのような悩みを抱えている方が結構いらっしゃいます。





「人は人、自分は自分」と比較せずに生きることができれば1番なのです。
でも日本には「恥の文化」がありますから、日本で生まれ育つと、どうしても人目を気にしてしまうようになるのですよね。
発達さんにおすすめの「在宅ワーク」という働き方


それでは、どのような働き方なら発達障害の方でも無理なく続けられるのでしょうか?
どうしても通勤してフルタイムの仕事をこなすのがつらい、続かない、という方には、「在宅ワーク」という選択肢もあります。別名「リモートワーク」とも言いますね。
昔は家でマイペースにできる仕事というと、主婦の方の内職や自宅の一室でお稽古の教室を開く、というぐらいしかなかったかもしれません。
それが今はPCが1台あればできる仕事が増えてきていますから、主婦の方はもちろん、男性でもリモートワークで働いている方が増えているのです。





何ていい時代に生まれたんだろう・・・
在宅ワークの良いところは以下の通り。
・通勤する必要がない(満員電車に乗らなくていい!)
・人間関係の悩みが消える
・体調が優れない時も、無理やり出勤する必要がない
・地方で仕事がない人もできる(場合によっては東京水準の給料を貰えるので地元で仕事を見つけるよりも稼げる)
・海外でも働けるし、ノマドワークができるので旅をしながらでも働ける
・好きな時間に働ける(仕事によっては、普通の会社と同じように9時から18時などと就業時間が決められていることもあります)
働く環境や時間帯に体調を左右されがちな発達さんにとっては在宅ワークは理想的ですね。
「在宅」と言っても必ず家で仕事をしなければならないわけではなく、飽きたらカフェや図書館で作業したっていい訳です。
特にADHDの方は1ヶ所にじっと留まることにストレスを覚える方もいらっしゃると思うので、気分次第で働く環境を変えられるのは良い刺激になると思います。
そしてASDの方は人間関係でストレスを溜めがちなので、基本的に人と関わらなくて良い在宅ワークは根本的にストレスから解放されます。
ただし独身の場合は年中誰とも話さない・人と会わない生活になってしまうので、意識的に適度な社会との繋がりを持つ必要はあるかなぁ・・・と感じます。週1習い事やサークルに行く、とかでも良いと思います。
在宅ワークができる職種
在宅ワークができる職種についてまとめた記事をご紹介します。
在宅ワーク全般・データ入力
必要な勉強期間:なし(明日にでも始められます)
給料:時給換算したら1000円いかないことが多い
ライター
必要な勉強期間:なし。ただし専門分野があると稼ぎやすいです。
給料:最初のうちは安いが、工夫次第で月収20万以上は稼げる(詳しくは記事を読んでみて下さい)
Webデザイナー・プログラマー
デザイナー
必要な勉強期間:半年〜1年ぐらい
給料:私は時給1500円から始まって、後に時給2000円。技術や実績次第ではどんどん上がります。
プログラマー
必要な勉強期間:1年以上(得意な人なら数ヶ月で習得できるかも)
給料:慢性的に人手不足なので、技術があれば月30万以上は狙えるし、月100万稼ぐ人も。NECなど新卒で年収1000万円の企業も増えています!
週3〜4会社員+フリーランスもおすすめです


今私がしている働き方です。
賛否両論あると思いますが、私的にはおすすめの働き方です。
発達でも無理なく働けますし、フルタイムで会社勤めしていた時よりストレスが減った!と感じています。
ASD+ADHDどちらも持っている私は、「1人が好きだけどたまには人と話したい」「1つの仕事をコツコツやりたいけど新しいことへの好奇心も止まらない」というめんどくさい性質なので、適度に社会との繋がりを持ち安定収入を確保しつつ、フリーランスで自分の仕事も開拓できるというバランスが大変自分に合っているなと思います。
・厚生年金にギリギリ入れる
・健康保険料が安い水準で済む
・社会保障もつく
・ボーナスや有給ももらえる(私の会社の場合)
・毎月の安定収入を確保しながら、フリーランスで挑戦ができる
・会社か自分の仕事、仮にどちらかがダメになっても収入は途絶えない
・適度に社会と繋がれるけど、人間関係に疲れすぎないバランス
・体調が悪い時は平日でも休める
・1週間で金曜日が何回も来る感覚(嬉しい)
・交渉と実力次第では、会社の仕事を業務委託で自分に回せるかも
特に終身雇用が終わったこの時代では、会社に依存しすぎてはいけないとは皆さんどこかで聞いたことあるかと思いますが、私も賛成です。
仮に今の会社が潰れたとしてもリストラされたとしても、別のどこかで生きていけるような技術を持っておくことは、精神衛生的にもよろしいことだと思います。
この働き方だと厚生年金・有給・安定収入などの会社の良いところを取りつつ、自分の好きな仕事をできる時間も取れます。
最初に述べた「疲れやすい」などの発達さん独特の問題も、休む時間を適度に確保することで無理せずに続けることができます。





ただし老後必要なお金や、毎月いくら貯めれば良いのか・資産運用などは自分で計算する必要あり
上記で挙げた職種で言えば、Webデザイナーやプログラマー、ライターなら割と簡単にこういった柔軟な働き方を実現できます。
基本的にスタンドアローンで作業をするので、働く時間や場所や仕事量の調整がしやすいからです。
キーワードは「無理せずに」自分に合った働き方を見つけましょう!
以上、発達障害の方でも無理せずに続けられる働き方について考えてみました。
私のおすすめを述べたものの、ASDが強いのかADHDが強いのか、症状の重さなどでも変わってきます。
なので自分にベストな働き方は、結局は自分で見つけていくしかないと思います。
この記事はあくまでも参考に、そして「無理せずに」を第一に。ベストな働き方を見つけられる発達さんが増えてくれたら嬉しいです。































私はこの理由で「満員電車」「1フロアに複数の部署が集まったオフィス」が苦手です。
満員電車は匂い、接触、音などの刺激で、1日の体力の3分の1をごっそり削られる感覚ですし、
大部屋のオフィスは隣の部署の話し声や視線、鳴り響く電話などで神経が疲れてしまいやすいです。