発達障害(ASD/ADHD)である私は、子供の頃から「変な子」とよく言われてきましたが、「外国人?」と言われることもたまにありました。
顔出ちがはっきりしていることもあり、「帰国子女?」「ハーフなの?」とも何度か言われました。私はバリバリ日本生まれ日本育ちの純日本人なので、なぜそう言われるのか分からなかったのですが、理由を聞くと「話し方が変だから」「外国人みたいな喋り方だから」と言われました。
録音した自分の会話を聞いてみると、確かに他の人よりも話し方がゆっくりだし、抑揚が不自然だし、ワンテンポ遅いし、語尾が伸びてるし、アクセントもおかしいところがありました。
そして大人になって発達障害が発覚してから思いました。これはアスペ独特の話し方なのではないかと。
今回はそんなアスペの話し方について考えてみます。
アスペは話すのが遅い
アスペの私は発話が遅くて、「ん〜」「えっと〜」がよく混ざる。
— なっつん🐈発達障害&HSPの宇宙人 (@nattsu_326) August 1, 2019
だからどうしてもしっかりしてない・天然だ・のんびりさんという印象持たれるし、「イライラする」とはっきり言われたことも何度かある。
でもアスペの特徴だと知って楽になったし
「癒される」と言ってくれる人もいるのでラッキー😇
こちらのツイートに多く共感の声を頂いたことで、「私だけではなかったんだな」と気づきました。どうやらASDの方は話し方が遅いことで悩んでいる方も多いみたいですね。
ツイートに書いてある通りですが、ASDである私自身もゆっくりな話し方をするみたいです。私にとっては普通に喋ってるつもりでも、周りの人からするとワンテンポ遅いらしい。「もっと早く喋って!」「イライラする!」と怒られることが何度かありました。
このため大人数の会話は苦手です。会話のテンポについていけないから。
今進んでいる話題について自分の話すことを考えたと思ったら、もう次の話題に移っていた、ということがよくあります。

一対一で話すのは大丈夫なんですが、大人数でワイワイとマシンガントークを繰り広げる場では、即座に会話に飛びつけません(´-ω-`)
アスペの人の話し方が遅いのは、「聞く」「理解する」「言うことを考える」「喋る」を同時にできないからです。
普通の人は「聞かれたら答える」をパッとできますが、アスペの人はどうもこの処理スピードが普通の人よりも遅いようです。
会話を聞く
↓
頭で考えて理解する
↓
頭の中で整理する
↓
返事をじっくり考える
↓
頭の中で言葉にする
↓
敬語にするべきかどういう口調でいくか相手との関係性を考慮
↓
今喋ってもいいタイミングか見計らう
↓
OK
↓
発話!!
↑アスペの人が言葉を発するまで、頭の中はこんな感じです。
なぜ話すのに時間がかかるのか、ご理解頂けたでしょうか。
電話応対や臨機応変な接客、雑談、即興スピーチが苦手なのもこれで説明がつきます。話し言葉の処理にこれだけ時間がかかるので、スムーズな会話が苦手なのです。
私は「ん〜」「え〜」「あ〜」が文頭につくのが口癖と言われます。ビジネスの場では相応しくないから直しなさいと言われたことも。
でも「ん〜」「あ〜」と言っている間に、頭の中で話すことをまとめているとも言えるし、発話するまでにワンテンポ前置きが必要なのです。
こちらの記事にもまとめましたが、話す前に頭の中でプログラム処理が行われているのです。
だから慣れた会話=以前にプログラム済みの会話であれば、普通のスピードで返答することもできます。

ちなみになっつんは面接の応答は得意なので、面接に受かる確率は高めです。でも働き始めた後に電話や雑談が下手なものだから、「ハキハキした人だと思ったけど違った」とガッカリされてしまうことがあります。
これは面接のように「Aですか?」と聞かれて「はい、aです」と答えを返すのは得意だけど、
雑談のように「私はAだと思うけどあなたはどう思う?」と聞かれると対応する値を見つけるのに手間取ってしまうからです。
・・・わかるでしょうか?
抑揚がおかしいから「ロボットみたい」「外国人みたい」?

話すのがワンテンポ遅いだけでなく、会話に抑揚をつけるのも苦手です。アクセントもおかしいみたいですね。
これは感情のままに喋ることができないからだと思います。
テレビやYouTubeなどで司会者や芸人さんやアナウンサーの喋り方を見ているとわかりますが、喋るのが上手な人は抑揚をつけるのが上手なのですよね。
そして抑揚をつけるのが上手な人は、会話に感情を込めることができています。
だから耳で聞いているだけでも「嬉しいんだな」「楽しいんだな」「怒っているんだな」というのが伝わってきます。
アスペの場合はこれができず、会話に感情が乗りません。
アスペは感情を表に出さず、自分の中に溜め込むからです。
そのくせ周りの真似をして抑揚をつけて喋ってみようとするから、不自然に聞こえるのだと思います。
私は「外国人みたい」「帰国子女」と言われましたが、ASDの当事者の方は「ロボットみたい」と言われた方も居るようですし、「江戸時代から来たの?」と言われたことがある方も居るようです。
いずれにせよ、別の国・別の時代から来たのでは、あるいは同じ人間じゃないのではと感じさせるような、自分たちとは違う印象を与えてしまう喋り方をするのが、アスペの特徴なのかもしれません。
「癒される」人もいるらしい

私はこの自分の「喋り方」について長らく悩んできました。
冒頭でも言った通り「ビジネスシーンに相応しくない」「イライラする、もっと早く喋って」とバッサリ言われたこともありますし、どうしても頼りない・しっかりしていない・呑気な印象を与えてしまうからです。
のんびり、おっとり、ほんわかと言われますし、せかせかせず浮世離れした様子が「お嬢様」の印象も与えるようです。これは他のASD女性の方も言っていました。男性でも「お坊ちゃま」と言われたことのあるASDの方は居るのではないでしょうか?

全く普通すぎる家庭で育って、ブランド品も一切身につけていないし、趣味もゲームとネットと漫画だったのに、「社長令嬢」「お嬢」と言うあだ名をつけられたこともww
でも何かと急かされる時代とは言え、世の中の全員がスピーディにせかせかと生きているわけではありません。
ゆっくりマイペースの方が好き、と言う方も居ます。
そういう方からすると、ASD独特のマイペースは心地よく感じるようです。私も「癒される」「落ち着く」と言ってくれる人がぽつぽつと現れて、自分の話し方への見方が変わりました。ゆっくりな話し方を好む人も居るのです。
確かに大人数の体育会系の組織ではアスペの話し方は不利になること間違いありませんが、一対一のコミュニケーションで、癒しを求めている職場などでは、すんなり受け入れてくれることも多いのです。
「イライラする」から「癒される」に変わるには
「話すのが遅い」に「ポジティブ」と「笑顔で話す」をプラスすると、「癒される」に変わります。
優しいおばあちゃんやおじいちゃんが褒めてくれると、何だか心がほっこり癒されますよね。
若い人は「え〜!」と思うかもしれませんが、ASDの人が目指すべきはこの「優しいおばあちゃん/おじいちゃん」のイメージだと思います。
あまり人の悪口や愚痴を口にせずに、相手のことを褒めたり励ましたり。それに笑顔を追加すると、「話すのが遅い」は途端に長所に変わります。「イライラする」から「癒される」キャラに変わることができます。
アスペ独特の話し方は長所になります

以上、アスペ独特の話し方についてまとめさせて頂きました。
大事なのは、自分の話し方を嫌いになったりコンプレックスに思ったりせず、むしろキャラとして活かす方向に持っていくことです。
なっつんも、話し方の本を買ったり会話教室に通ったりもしました。
ですが別の誰かの話し方を真似したところで、後から自分がつらくなるだけ。素の自分でいく方がずっと楽ですし、素の自分を好きになってくれる人も見つかります。
「ロボットみたい」「外国人みたい」などはむしろネタにしちゃいましょう笑

受け入れてくれない人はスルーしてOK。「器が小さいんだな〜」とでも思っときましょう。
「自分を受け入れる」ことができれば気にならなくなるのです。
それでもやはり話し方も含めコンプレックスを持っている発達さんはたくさん居ると思います。
日頃悩んでいる方がどうやったら「自分を受け入れる」ことができるのか?こちらの記事にまとめたので、気になる方はぜひ読んでみて下さい!
日本人というか、日本語が上手な外国人が喋ってる感じに聞こえた。
「そうですネ〜、ん〜、ワタシはこう思いマス〜」みたいな