自閉症(アスペ/ASD)とHSPは似ているけど、何が違うのか?



なっつんです。

HSPのカテゴリーを作っておきながら全く記事を書いていなかったことに気づいたので、今日はHSPについて書こうと思います。

 

HSP (Highly Sensitive Person)とは?

HSPの人が好きそうな画像。笑

HSPは最近になってよく知られるようになりました。心理学が好きな方なら耳にしたことがあるのではないでしょうか。

HSP (Highly Sensitive Person)とは、繊細・神経質な「気質」のことです。5人に1人がHSPを持っていると言われています。

繊細であるため傷つきやすい心を持っており、他人の些細な一言に落ち込んで引きずってしまいます。

視覚・聴覚・触覚などの五感が普通の人よりも敏感なため、眩しい光やうるさい音などの刺激に圧倒されてすぐに疲れてしまいます。

また、他人に気を遣いすぎたり空気を読みすぎてしまう傾向があり、普通に生活しているだけでも疲れ果ててしまうことも。

そのため、現代の競争社会では非常に生きづらいのです。

職場の人間関係、空気、蛍光灯の光、匂い、ざわつく音、通勤の電車などで容易に消耗してしまいその場所にずっと居られなくなるため、仕事が続かないことに悩んでいるHSPの方も多いです。

 

HSPのチェックテストを受けたことがないと言う方のために、リンクを貼っておきますね。1分以内でできるので、まだ受けたことのない方は是非受けてみて下さい。

HSPセルフテスト(Are You Highly Sensitive?/Highly Sensitive Person)

また、私がHSPに気づくきっかけになったエレイン・アーロンさんの本も紹介します。

HSPのバイブル的一冊なので、もっと詳しく知りたい方はぜひ読んでみて下さい。

 

この本も含め、HSPの方におすすめな本をこの記事にまとめてあるので、気になる方はぜひ目を通してみて下さい。

HSPの心を守るおすすめの本。批判されるのが苦手なあなたに

2019年7月3日

 

HSPの長所

そんな生きづらいHSPにも、優れた長所がたくさんあるのです。

HSPの長所

➀【人に共感する力が強い】

HSPは高い共感する力を持ち他人への感情移入をしやすいため、相手の立場になって気持ちを考えたり察することができます。

聞き上手・気配り上手になりやすく相手が自分を理解してくれたと思われることで好感を持たれたり、感謝されることもあります。

 

➁【深い思考ができる】

HSPは深く考え物事を多方面から捉えることができます。

たとえ1つの情報からでも考え出される数は時に膨大で整理が追いつかなくなるほどです。

 

➂【身体の様々な感覚能力が高い】

光や音・においなどHSPは五感が非常に敏感です。

その高い感覚のため他の人がなんとも感じないことでもHSPは時に不快に思うこともあります。

しかし繊細に違いを感じ取ることで香りや景色、音楽などを人一倍も楽しんだり、創作活動や芸術家としての才能を開花することも珍しくありません。

 

➄【内面のエネルギーが強い】

よく「おとなしい」と言われるHSPですが実際は非常に感情や想像力が豊かで内面に溢れるエネルギーをすぐにでも行動に移したくなる衝動にかられることもあるほどです。

そのため一人だから退屈するということはほとんどありません。

これはグループで楽しむことが多い人にとっては理解しにくいことですが、HSPは何かを聞いたり見たりするだけで人よりも多くの感情を抱き多くの考えを巡らせます。

そしてインスピレーションが沸いてくればその興奮を長時間楽しむことができるのです。

 

参照:HSP診断テスト

 

HSPのなっつんは上記の全てに「うんうん!」と共感できてしまうのですが、皆さんはどうでしょうか?

他にもなっつんにはこんなHSPの特徴があります。

なっつんのHSPらしい特徴

・涙もろい(映画の予告編や人の話だけでもらい泣きしてしまう)

・グロい映画、医療映画の手術シーンが観れない。吐き気がしたり貧血になる。

・怒っている人、悪口や愚痴を言っている人が近くにいると自分の気分も落ち込んだり体調が悪くなったりする。

・人が心の底で考えていることがなんとなく分かってしまうので、悪い人は第一印象で分かる(これは便利な能力)

・人だけでなく場に漂う「正の空気」「負の空気」もなんとなく分かる(「負」を感じた会社やお店はその後本当に潰れた)

・大自然や、素晴らしい映画、小説、絵、音楽に触れると深く感動して、高揚感でしばらく幸福の絶頂にいられる笑

最後少しスピリチュアルで、苦手な方はごめんなさい。

つまり喜び、怒り、悲しみ、痛み、苦しみといった他人の感情がダイレクトに自分の中に流れ込んで来るのです。

なっつん

HSPはスピリチュアルや精神世界や第六感などの、目に見えない系の話にピンと来る方も多いかもしれません。

 

ASD(自閉症)とHSPは似ている

さて、HSPについて解説させて頂きましたが、ここから本題です。

発達障害について調べたことのある方は、HSPについてもどこかで目にしたことがあるのではないでしょうか?

その逆で、HSPについて調べていたら発達障害のことを知った、と言う方もいらっしゃると思います。

それもそのはず、発達障害の中の自閉スペクトラム症とHSPは非常に似ているのです。

どちらも内向的で、社交的ではなく、本を読んだり絵を描いたりするのが好きで、感覚過敏、そして生きづらさで悩む。共通点が非常に多いのです。

 

ASD(自閉症)は精神障害、HSPは病気ではなく「気質」

しかし、この両者は似ているようで違います。

発達障害とHSPをごっちゃにして考えている方も多い印象ですが、ASD(自閉症)は「精神障害」の1つ。医師が診断を下す必要があります。診断書や障害者手帳が出る、れっきとした「障害」です。

それに対しHSPは「気質」に過ぎず、病院で診断が下るものではありません。最近はHSPの検査もしてくれる心療内科が増えてきたそうですが、あくまでもその人の「気質」であって、病院が薬や治療でどうにかしようというものではありません。

 

ASD(自閉症)とHSPを同時に持つことはありえるのか?

ざっと調べてもこれに対しては様々な意見がありました。

HSPの提唱者であるエレイン・アーロンさんは、「ASDとHSPは別のものである」と最初は断言しているものの、「アスペルガーでHSPというケースもあるかもしれない」と述べています。

エレイン・アーロンさんの意見

自閉スペクトラム症であると同時にHSPであるという可能性もありますか? 

 私の気質研究の関する師であり、『ひといちばい敏感な子』を書くにあたってすべての言葉を検証してくれたJan Kristalは、どのような障害あるいは発達上の課題を持っているかに関わらず、そしてどのような脳損傷や知的障害を持っているかに関わらず、人はその障害とは切り離して考えられるべき、その人本来の気質を持っていると強く主張しています。そして私はよく多くの点で、ASDの人たちからとても知的な印象を受けることがあります(これはASDイコールそうだと同一視しているわけではありません)。そう、ですからもしかしたら、アスペルガーでHSPというケースもあるかもしれません。

参照:How does sensitivity differ from Autistic spectrum disorders (Asperger’s Syndrome, etc.)?(HSPと自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)はどう違うのですか?)

 

ASD & HSP 両方持っているなっつんの考え

なっつんの意見としては、ASDとHSPを両方持つことは十分ありえると思います。

私自身が広汎性発達障害(ASD優位、ADHDも混ざっている発達障害)の診断書を貰っていますが、それ以前に受けたHSPのセルフテストでも9割方当てはまり、明らかにHSPの特性も持っているからです。

そんな私から見た、HSP傾向のあるアスぺとHSPを持たないアスペの違いは以下の通り。

現実・Twitterのどちらでも何人かの発達障害の方を見てきましたが、同じアスぺでも明らかに差があります。

・HSP傾向のあるアスぺ→ 「わかります」などの共感発言をする、人を褒めたり励まそうとする、微笑もうとする(でもアスぺなので笑顔の出し方が不自然だったりする)、会話は苦手だが文章だとコミュニケーションは得意、リアルでは単独行動を好んでもSNSでは積極的に人と絡んでいる

・HSP傾向のないアスぺ→ すぐに人を批判する、攻撃的な発言や誹謗中傷をする、無表情、自分の意見を一方的に述べ相手の意見は無視、リアルでもSNSでも人と絡まない

※あくまでも私個人が感じたことなので、根拠はありません。

自閉症(アスペルガー)は一般的に「人の気持ちがわからない」と言われますし、世間一般的にそう思われているところがあります。

そのアスペと「人の気持ちに共感しすぎる」HSPは全く正反対の性質ですよね。

それでもこの両者の性質は共存することがあると、私は思います。

 

HSP傾向を持つアスぺは、コミュニケーションが不得意ながら必死に相手と仲良くなろうと頑張りますが、やはりアスぺなので上手くいかないケースが多いです。

これに対し発達障害はなくHSPだけを持っている方は、コミュニケーションが上手な方が多いです。問題は、繊細なので気遣いと空気を読みすぎて疲れ果ててしまうことなのですが。

HSP持ちアスぺの私の場合は、人と仲良くなりたい、そのために気遣いしたいし空気も読みたいのに、アスペの特性が足を引っ張って失敗することがよくあります。

よくあるのが精一杯気を遣った発言のはずが、場にそぐわない発言だったらしく空気を凍らせてしまうこと。これは私が何度もやらかしてることです。

その結果、私の場合は心理学の本を読み漁って人の気持ちを論理的に理解しようと頑張るという行動に移りました笑

※ちなみに自閉症(アスペルガー)の方が最も理解しやすい心理学・コミュニケーション理論はNLPではないかと個人的に思います。

心理学にもスピリチュアル系など色々ありますが、NLPは「神経言語プログラミング」だからです。つまりプログラミングのように論理的にコミュニケーションを学べるのです。

この記事でも書いていますが、アスペのコミュニケーションはプログラミングに似ているので、NLPはまさにしっくり来るのです。

NLPに興味のある方はこの本が分かりやすくておすすめです。

 脳と言葉を上手に使う NLPの教科書

 

また、このブログでよく言及しているMBTIなどの性格類型論も人の性格を体系的に理解できるので、アスペの方は好きな方が多いと思います。

 

ASDとHSPの違い、まとめ

・自閉症(ASD)とHSPは一見するとよく似ているが、ASDは病院で診断が下る「精神障害」の1つであり、HSPは単なる「気質」である。

・ASDとHSPを両方持つことは十分ありえると思う。現になっつんが両方の傾向がある。

・HSP傾向を持つアスぺは「人と仲良くなりたい、人の気持ちを理解したいと思ってるものの、アスペの傾向が邪魔して上手くいかない」

・HSP傾向を持たないアスぺは「人の気持ちを理解しようとしない」

・純粋なHSPは「コミュニケーションはちゃんと取れる(でも気遣いすぎて疲れる)」

 

以上、発達障害とHSPについて私なりの考えをまとめさせて頂きました。

 

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3 件のコメント

  • なっつんさんこんにちは^ ^

    この記事が私の中でスマッシュヒットしていて、
    「これこれわかる~!」
    という言葉を頭の中で連発していました(笑)

    私もどうやらASD&HSP(プラスADHD?HSS?)のようです。

    ところでコミュニケーションを学ぶ上で、
    NLPをお勧めしていましたが、
    個人的にはアサーションもお勧めです!

    これは境界性パーソナリティ障害向けの本で
    紹介されていたのですが、
    ASDのように、うまく自己主張できない人が、
    人を傷つけないように意見を言う方法が学べるのです。

    NLPも興味があったので、機会があれば
    本で勉強してみようと思います。

    素敵な記事、情報をありがとうございます^ ^

    • えりまいさん、こんばんは!
      スマッシュヒットww

      アサーションは聞いたことありますが詳しく知りませんでした。
      ASDは自己主張自体ができない脳みそだし、HSPも他人を気遣いすぎて自分の意見が言えなくなってしまうので、
      この記事に共感してくれているみなさんにおすすめできそうですね。
      私も調べてみます〜!

      教えてくれてありがとうございますした〜(^o^)

  • はじめまして、こんにちは。
    子供がHSCとASDを併発しているようで、調べたらこちらにきました。
    子供も軽いASDだからか発達の遅れはなく、むしろ発達が早いという結果です。絵本で衝突するシーンを見てられないのはASDというよりHSCではないかと考えました。
    医師からもHSCも該当すると言われたものの、実際は似て非なる特性のようなのですが、併発もありえそうなんですね。

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